05 マコちゃんの泥団子

haco No.5

お隣のマコちゃんが、小学校からやっと帰ってきた。先に帰って、家の前でおままごとを始めていた私は、マコちゃんの元へ走りよって、気がついた。
「あれ~、マコちゃん、ランドセルは?」
「あっ、忘れたぁ。」

マコちゃんの真っ黒に日焼けした手には、乾いた泥団子がいくつか。お日さまがたっぷりあたる秘密の場所に、昨日から干しておいたもので、それらを自慢そうに見せてくれた。泥団子に夢中になって、ランドセルを置いてきて しまったのだという。
「一緒に取りに行こうか?」「うん、帰ったらおままごとの続きをしようね。」

黒ごまチーズボールを掌でころころと丸めていたら、だんだん丸くなっていくチーズボールに吸い込まれるように、小学一年生だったあの日の午後にタイムスリップ。照りつける太陽光線が二人の笑顔に反射して、まぶしくて目を閉じる。

ねえ、その泥団子をひとつ、今の私にも分けてくれないかな?