02 太陽のおっちゃん

haco No.2

カンッカンッカンッと笑う太陽のおっちゃんは、嬉しいことも、悲しいことも、楽しいことも、怒ったことも、のばしては折って、のばしては折って、幾重にも重ねて、包んで焼いた、パイでした。

茹でて潰したジャガイモと、スパイスの香るひき肉を、カンッカンッと見せながら、笑って言いました。
「ワシはな、ミルクティーが好きなんや。ミルクたっぷりで、ちょっと甘めがいいなぁ。」

ひとくち食べても、ふたくち食べても、半分になっても、食べても食べても笑っていました。食べられても食べられても、笑っていました。そしてとうとう全部食べ終えた時、その笑顔は、私が引き継いでいました。