table.6 哀しみの分のスープ

食卓わらし table.6

スープがにじんでいるように見えたので、
わらしはスープの中の哀しみを、ずずずと飲み干した。
彼女に気づかれないように・・・。

彼女の涙がかれた頃、スープはすっかり冷えてしまっていたけれど、
ちっとも哀しい味なんてしなくて、彼女はちょっと戸惑った。
そして少し笑ったような顔をした。