齋藤圭吾 写真展 『 wandering 』 終了いたしました。ありがとうございました。

                                                   ©️齋藤圭吾

齋藤圭吾 写真展 『 wandering 』

2025年 4月 4日(金) 〜 7日(月) / 11日(金) 〜 13日(日)

終了いたしました。
たくさんの方々にご来場いただきました。
ありがとうございました。

写真が外された白い壁を前にして、
隣でパンを焼きながら過ごしたこの数日間を振り返っています。
齋藤さんの写真を通して、点や線、空間、五感に六感 etc…
いろんな形で皆さまと貴重なひとときを共有させていただけたことに感謝しています。

                    
となりの tOki dOki 三田真由


©️齋藤圭吾


齋藤さんの写真を見るとき。

大抵私は、一旦その写真の中の世界に立っている。
はっと我に返り、写真と自分の間に距離を置く。

そうすると、そこにはなんとも気持ちの良い透明なのか光なのか、
小さな小さな粒子が粒をなして現れる。
空気が目に見えているのかもしれない、と思っている。
自分側の空気なのか、写真側の空気なのか、どちらかはわからない。
粒々は決してこちらに向かってくるのではなくて、奥へ奥へと重なる奥行き。
その粒子に誘われて、私はまた写真の中に入っていく。

広がる草原。
どこの国だろう、、のどかだなぁ。
なんとも穏やかな気持ちにさせてくれる写真。
しかし、よく見ると、そこには数年前に起きた大きな地震の爪痕が、
溶け込むように写し出されていたのだ。
紛れもない事実。
美しさの中に自然の脅威を知らされて、心の平穏が傾く。
傾きはなおさない。
傾いたままでいること。

それからもう一つ。
どんなに壮大な景色の写真でも、例えば、そこには葉っぱが一枚一枚存在していて、
私はその葉脈までをも愛でることができる、ような気がする。
マクロの中にミクロを見る、という秘密の愉しみ方。
鬱蒼と湿気を帯びて生い茂る山林も、静かな波の海も、街中のブロック塀も、皿の上の肉も、器に注がれたスープも、私が焼いたパンも。みな同じよう。

こうして、私は齋藤さんの写真の中をずっと彷徨っている。
wandering ~ その幸福感たるや。

tOki dOkiで展示してくださって、ありがとうございました。


となりの tOki dOki       三田真由


                                                   ©️齋藤圭吾



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